新たなペイウォールは「自在に変更可能」?:Wall Street Journal が会員数を30%増加させた秘訣

14 Sep 2018 | By Takashi Kodama

パブリッシャーはGoogle、Facebook、Amazonなど市場を独占するプラットフォームの台頭により、広告収入下落の課題に直面しています。簡単に閲覧可能な無償コンテンツがインターネット上に溢れ、ユーザーの行動が変化する中、デジタルサブスクリプションを販売し、広告収益の下落に歯止めをかけ、売り上げを増加させることが、パブリッシャーにとって生死を分ける課題となっています。この課題の解決のボトルネックが、パブリッシャーはこれまでどのような読者に対しても静的なペイウォールを採用し、読者にはそれぞれ異なる興味関心があり、会員登録をする可能性も異なるということを無視してきた、という点です。

長年に渡ってパブリッシャーは様々なペイウォールモデルを試してきましたが、どれもパブリッシャーの課題を全て解決してくれるものではありませんでした。

  • ハードペイウォール:ハードペイウォールを導入したパブリッシャーは通常、そのサイト/メディアをよく知るファンの会員に強く依存しています。そのサイト/メディアにあまり関心のない読者は、一度ペイウォールを見たらすぐに離脱し、二度と戻りません。

  • メーターアクセス:このアプローチは、いくつかのコンテンツへのアクセスを読者に無償で提供することで、後々会員になるよう読者を惹きつけることができるであろう、という仮定のもと成り立っています。無償で提供する記事は、読者の会員登録を促進できるような内容のものを、パブリッシャーが選定します。しかし、このような施策を行う際、そもそもなぜその記事数を無償で提供するのか、なぜすべての読者に同じ有償記事を公開するのか、という疑問が湧きます。また、実際に見たりサンプルを確かめられないプレミアムコンテンツを購入する読者がいるかどうかも疑問です。

  • フリーミアム:メーターアクセスと似たアプローチで、同じような課題があります。

これらの一般的なモデルに共通しているのは、サイトに訪れる人が誰であったとしても、同じ挙動をする、という点です。さらに、ユーザーではなく、コンテンツに主眼を置いています。つまり、会員獲得の負担をコンテンツのみに押し付け、データドリブンでリアルタイムパーソナライゼーションが生み出せる膨大な会員獲得促進の可能性を無視しているのです。

一方で、Cxense の技術で支えられているThe Wall Street Journalのペイウォールはそれとは異なり、従来のアプローチよりも成果が上がることが実証されています。

The Wall Street Journalのサブスクリプションとデータアナリティクスのエキスパートは、以下の質問を問いかけました。

  • 最も会員登録する可能性の高い読者は誰か?

  • どのような会員登録オファーをどのような読者に届けるべきか?

  • 上記のような読者はどのタイミングでオファーを受け取るべきかか?

会員数を急速に増加させる3つの要素

  1. ずばり、データです。 通常、パブリッシャーが顧客体験をパーソナライズしようとする際、自社サイトから得られるデータの収集、解釈、活用といった、1stパーティーデータの活用から始めます。。パブリッシャーはたくさんのローデータを持っていますが、サブスクリプションチームが理解し、より多くの会員を惹きつけ維持するために利用できるインサイトの構築に苦しんでいます。ローデータに最新技術と機械学習のアルゴリズムを応用することで、サイト上での読者ひとりひとりの行動に関する膨大なインサイトと、会員登録をする可能性を把握することができます。
  2. パーソナライゼーションによって読者の関心を高めます。 パブリッシャーは、それぞれの読者を単なるオーディエンスやセグメントのメンバーとしてではなく、個人として扱う必要があります。編集者やビジネスユーザー(IT担当者ではなく)がリアルタイムでコントロールできる真のパーソナライゼーションにより、特定のユーザーに最も適切な記事を表示できるようになります。これが後々エンゲージメントの増加につながり、会員登録をする可能性を高めるのです。高度なパーソナライゼーションソリューションには、どのような設定が最も効果的なのかを学習するアルゴリズムが備わっており、顧客体験を自動的に最適化します。

  3. 読者によって異なるペイウォール。会員登録をする前に読む記事の数というのは、読者によりかなり異なり、また長期的な関心やコンテクストも大きな役割を担うということも分かっています。パーソナライズされたオンサイトメッセージも、読者の会員登録に大きな影響をもたらすものであることが実証されています。よって最高のコンバージョンの成果を上げるためには、ペイウォールがダイナミックで、タイミング、コンテクスト、オファーがパーソナライズされている必要があります。できればパーソナライゼーションエンジンが、会員登録をする可能性に応じて、読者を自動的に分類できることが望ましいでしょう。実際には、これにより会員登録のオファーを受け取るまでかなりの記事を消費する読者もいれば、数回の訪問でハードペイウォールを体験する読者もいる、ということになります。

これらの要素を取り入れることができれば、読者の興味関心と会員登録をする可能性を理解するために、いい線を行っていると言えるでしょう。

The Wall Street Journal は以下の4つのステップを経て、ダイナミックなペイウォールへと切り替えました。

  • 読者ファースト/顧客ファースト視点の採用(コンテンツファーストではなく)

  • 読者がコンテンツにどのような反応を示しているかについて、深いインサイトを得るためにIntelligent Data Layerを展開

  • 高度なデータアナリティクスと機械学習を基にした自動プロペンシティスコアを非会員読者に対し付与
  • ダイナミックペイウォールを導入することで、広告収入を減らすことなく、会員数を増加

Dow JonesのPresident兼Customer OfficerのKatie Vanneck Smithは次のように述べています。「Cxenseのソフトウェアを使うことで、オーディエンスデータとリアルタイムパーソナライゼーションを行い、オンライン読者を会員登録させることに大成功しました」。

皆様のサイト/メディアでも会員数を増加させたいですか?是非、ご連絡ください。 

 

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