“ポータルを成長させていくためには留まっていてはいけない。その一つがオウンドメディアの支援でした。これを実現するために、媒体社目線を持つCxense DMPは運命的な出会いでした”


株式会社LIFULL HOMEʼS事業本部 DMP・CRM事業部 事業推進ユニット

ユニット長 野口 真史氏

LIFULL HOMEʼSで培ったデータ活用ノウハウを顧客に提供、オウンドメディアのマーケティング支援で、前年比3倍の売上を達成

不動産業界向けマーケティング支援サービスが、どのように双方の売り上げを上げる仕組みを構築したかをご紹介

Overview

1997年創業のLIFULL社(2017年4月にネクスト社より社名変更)が展開する、不動産・住宅の総合情報サイト「LIFULL HOMEʼS」。総物件掲載数日本一を誇る同サイトでは、賃貸、新築分譲マンションや戸建住宅から、地域情報や介護施設、保険、引っ越しなど、暮らしに関わる情報やサービスを提供しています。

LIFULL社は2014年7月より、不動産業界を対象にしたマーケティング支援サービス事業「NabiSTAR(ナビスター)」を立ち上げました。これは、不動産業界特化型のプライベートDMP環境を開発、構築し、LIFULL HOMEʼSのお客様でもある不動産会社のオウンドメディア(自社サイト)の最適化の支援や集客代行などを提供するものです。LIFULL社の野口真史氏は、「LIFULLでは不動産業界の効率化を支援したいという考えがあります。LIFULL HOMEʼSは広告媒体としてユーザーを集めていますが、不動産業界全体をよくするには足りないと感じていました。そこで、LIFULL HOMEʼSで蓄積したデータとノウハウを活用して、不動産会社のWebマーケティング全体を支援するサービスを立ち上げました」と説明します。これまで不動産会社の広告・マーケティング活動は、LIFULL HOMEʼSなどのポータルメディアへの物件掲載がほとんどで、自社サイトを作っても単に、物件情報を掲載する程度に留まっていました。

Challenges

こうした環境を変えることができないか。ーそう考えた野口氏が着目したのは、LIFULL HOMEʼSで蓄積したデータと運用で培ったデータ活用のノウハウを顧客と共有し、課題解決を提案するサービスでした。LIFULL HOMEʼSで収集・蓄積している属性や行動履歴といったオーディエンス・データを、各不動産会社が持つデータと統合して分析することで、個々のユーザーの嗜好や特性に基づいた個別アプローチができる仕組み作りに乗り出したのです。

ユーザーの視点では、パーソナライズされた最適な情報が満載で、かつ物件が探しやすいこと。不動産会社の視点では、情報提供媒体(メディア)としての集客力があり、物件成約率を向上させられること。そして、この両方を短期間に実現させることを模索していた時に出会ったのが「Cxense DMP」でした。

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20
1000 万以上

データ収集と同時にDMPでセグメントを作成

野口氏がこだわったのでは「セグメントの作り方」です。そして注目したのが、「Cxense DMP」が提供する「リアルタイムなセグメント生成」機能でした。

Cxense DMPは、サイト訪問者の行動履歴をリアルタイムで収集/分析でき、またCRM(顧客関係管理)システムなどに蓄積したファー ストパーティデータや、外部機関が提供しているサードパーティデータなどを組み合わせた利用価値の高いオーディエンス・セグメントを作成します。特に注目したのは、作成したセグメントがすぐに活用可能な点でした。

多くのDMPはセグメントの生成後、一定期間データを収集しないと活用できません。こうしたタイプのDMPでオーディエンス・セグメントを作成する場合には、最初にセグメントを決め、そのセグメントに従ってデータを溜める方法をとります。しかし、一度決めたセグメントを変更するためには、新しいセグメントを作り直し、再度データを溜めるという作業が必要になります。そのため、LIFULL社がチャレンジしようとしている新しいビジネスの領域にそぐわなかったのです。

一方、「Cxense DMP」は蓄積されたオーディエンス・データを基に、様々な角度からユーザー・セグメントを、リアルタイムに何度でも作り直せるのです。「ユーザー・セグメントを何度も作成できることは、PDCAを迅速に回せることを意味します。新規事業では何が成功するのか分かりません。トライ&エラーを繰り返しながら、新たなセグメントを見つけ出すことが重要なのです。不動産会社はターゲティングされたデータを利用することで、個々のユーザーに対してより適切なコンテンツを提供できるようになるのです」(野口氏)

また、Cxense DMPは「どのようなセグメントで、どのユーザーに、どの情報を提供するのか」をどれだけ変更しても、コストはかかりません。野口氏は、「アイデア次第で効果のあるセグメントを見つけられる。結果もすぐに得られるので、次の施策が迅速に打てる。このスピード感が、Cxense DMPの強みだと思います」と評価します。

もう1つ、野口氏が評価するのは、Cxenseの製品開発に対する姿勢です。「Cxense DMPはわれわれの理念にフィットしたサービスで、目指す事業の方向性が同じだと感じています。『こんな機能が追加されると便利だな』という機能が、タイムリーに追加されますね」と語ります。

そのような中、LIFULL HOMEʼSのオーディエンス情報と不動産会社のサイト内の行動から作成したオーディエンス・セグメントを外部のDSPへ配信し、各不動産会社サイトへの集客代行を新たなコンサルティングメニューとして開始したところ、非常に好評で事業の柱に成長したのです。

実際、LIFULL社の顧客である不動産会社のサイトの集客率は、堅調に伸びているといいます。NabiSTARが有するプロファイル数は、約1,000万以上。この数字は、インターネット上で不動産検索をしているユーザーの約半数にあたります。 NabiSTAR事業が本格化してからわずか3年間で、3人だった事業部は20人規模に拡大しました。さらに、昨年1年間の売上高は、前年比3倍の成長率を達成しています。

同事業の成功は、その先にいる不動産会社のビジネスの成功の証しとも言えるでしょう。野口氏は、「不動産会社はオウンドメディア活用の成果に気がつき、積極的に取り組み始めています。LIFULL HOMEʼSやNabiSTARを利用することで適切なユーザーにアプローチでき、成約率向上につながれば、われわれも、不動産会社も、そして理想の住まいに巡り会えたユーザーもハッピーになれるのです」と語ります。

他業界にもアプローチ

LIFULL社では、Cxense DMPの分析機能とLIFULL HOMEʼSに蓄積されているデータを利用してレポートを作成し、不動産会社が顧客獲得のために必要なデータを提供するサービスも開始しました。現在は分析結果から得られたデータをレポートしていますが、今後は予測分析結果レポートも追加していく計画だといいます。これにより、ユーザーですら気がついていない潜在的なニーズを不動産会社が理解し、ターゲティングされた情報を提供できるようになるのです。また、このサービスもCxenseだからこそ得られる詳細情報から成り立っています。

野口氏の挑戦は、これだけにとどまりません。将来は不動産業界の枠を超え、「アフターマーケット」と呼ばれる不動産以外の市場に対してもデータを活用したサービスの提供を視野に入れているといいます。

「あらゆるデータを蓄積し、Cxense DMPの分析によって質の高い情報に昇華させ、価値ある資産に変えていく。こうした情報は不動産業界だけでなく、他の業界にとっても価値があるはずです。我々が持つオーディエンス・データは、家電業界やインテリア/家具業界はもちろん、他の様々な業界にとって、価値ある資産になることを確信しています」 (野口氏)

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